Danaの本

Category: 鉱物結晶図鑑  

Danaの本には鉱物の結晶図とそのデータが豊富に掲載されており、
結晶を愛でる人なら入手したいと思わずにいられない。
とりわけ、Dana第6版は結晶図と結晶データが豊富に載っており、名著と思われる。


Dana8版:
今から10年以上も前に、何も知らなかった私は、最新版である第8版を買えば、
第6版,第7版を上回る情報が手に入ると思っていた。
しかし、大枚はたいて買ったその本には、結晶図は殆ど載っていなかった。
また、殆どの格子定数が日本の鉱物本とは異なる様で、全く使い物にならなかった。
かろうじて、結晶形態を示す空間群だけは参考になるが、これも格子定数が違うと変わってくるので、
あくまで参考にしかならない。
ちなみに、空間群とはX線結晶解析などから求めた結晶構造から結晶形態を230に分類したもので、
対応表により32晶族(点群とも言う)に変換できる。
第8版は、全く使えなかったので、神田の古書店に叩き売った。

dana8_2017.jpg


Dana7版:
ならばと、次に入手した第7版は三部作になっていて、しかも索引が独立しているので、
Ⅰに無ければⅡ→Ⅲと渡る必要がある。したがって、目的の鉱物がとても探しにくい。
また、第6版に較べて結晶図が少なく、格子定数が変更されていたり、
書いてある点群(32晶族)についても?付き(本当に4/m32/m(?)などと書いてある)が多く
中途半端な気がする。加えて、水晶などの酸化鉱物が載っているⅢが、なかなか手に入らない。
これも、10年以上前だが、神田の古書店でⅠを安価に購入した私は、eBayでUSからⅡⅢを入手した。
今も手元にあるが、あまり出番はなく、先日久々に出してみたら、ボロボロの背表紙がカビていた。


1冊目のDana6版:
そんな訳で、DANA第6版が無償に欲しくて堪らなかった。
今でこそ、USの著作権(100年)を過ぎたためWebでPDFが公開されているが、
10年以上前は入手に想像以上の困難があった。
この本は1915年発行であるため、古書店にもなかなか出回らず、
おまけに目が飛び出るほど高い。(正に骨董の世界)
そこで、持っていそうな人を探す作業から開始。
運良く見つかったら、コピーさせて欲しいと頼んでみるのだが、まず断られる。
考えてみれば、貴重で、かつ今にも損壊しそうな古い本を簡単に貸してくれる訳が無い。
諦めかけた頃、O氏から「貸してあげるから取りにおいで」と暖かいお言葉を頂き、早速飛んで行った。
その本は、昭和19年(戦時中)に原本を350部のみ復刻(実は不正コピー?)した物のようで、
「東京八雲書店発行、45円50銭」となっていた。
O氏が装丁をし直されたばかりの為か、本自体はしっかりしていたが、細心の注意を払いながら
少しずつコピーしたので、近所のコンビニに1ヶ月近く通い詰めた記憶がある。
約1400頁を見開きでコピーしたので、約700ページのコピーが手に入った。
しかし、このままでは何とも使いにくい。そこで、近所の製本屋を探し、1冊だけ製本した。
2万円近くとられたが、やっと念願の本が手に入り嬉しかった。この時のコピー(版下)は、
その後、D氏に差し上げた。
苦労して手に入れた製本版であったが、唯一の難点は復刻版のコピーのコピーである為、
文字がかすれていて読みにくい部分が多数有ることだった。
心眼で読めないことも無いが、機会があれば原本か復刻版を入手したいと思っていた。


2冊目のDana第6版:
2冊目は、10年以上前にネットオークションで、あっさり入手した。
その本はO氏からお借りした復刻版と同じ様に見えたが、この時始めて昭和19年出版時の
オリジナルの装丁を目にした。それは、藁を編んだようなぼろぼろになったカバーで、
背表紙に赤文字で「A SYSTEM OF MINRALOGY」とあった。タイトルのMINRALOGYは明らかに
スペルミスであるが、この本の出版時の状況が偲ばれ、何となくふさわしく思えた。
しかし、特筆すべきは、この本の元の持ち主が、北投石発見者である、あの岡本要八郎先生
(2人目のO氏)らしい事であった。
背表紙には、手書きでY.Oの文字がオレンジで加筆されており、本の裏書には、
縦書きで以下の文章が書かれていた。(読めない漢字はxで示した。)

本書は明治36年台湾在勤中東京丸善にて之を求め以来今日迄常に最も多く教へられし賓典なり。
大東亜戦争起こりて本書並に三附録を一括して復刻せらるる事を耳にし再び之を机上に備へんことを
希望せり。時恰も、九大木下亀城氏、京都益富寿之助氏、東京桜井欽一氏、長島乙吉氏の援助により
完成せし福岡県鉱物誌を公刊することとなり其100部を求めて之を内地外地隣邦に於ける旧知親友に
贈りて巳往50数年間の鉱物及び其他に関する苦情に対し感謝の意を表せすることとせり。
xるに石川成章氏、出口雄三氏及び八尋正明氏は之か公刊を祝して更に過分の芳志を恵まる。
石川氏は、御里三河に在りし時の先輩にして出口氏はx海鉱物xに於ける先達なり。
而して八尋氏は九大学福鉱誌全部の写真に助力されし友人なり。
西尾、台北、福岡は吾人小学並に大学教育に従事せし三ヶ所にして、夫々xxx鉱物誌、
xxxxxx報告及び福岡県鉱物誌を編著せし三ヶ所なり。
比三ヶ所に関係深き三氏より夫々今日の芳志を贈られしこと吾人としてxに寿しき縁故の結ばれ
xことに思ひ及ほして此厚き三氏の友情を記念する為め最近の希望たる此大冊子を久x市金分堂に
求めて之を机上に備へ、終年其恵xにxすることとし之か由来を書物に録してx備xとすとxx。

昭和19年7月14日   於九xxxxxxxxxx 岡本要八朗x

自分には読めない字が多々有ったが、岡本先生のこの本への並々ならぬ思いは充分理解できた。
また、日本の鉱物会のそうそうたる方々のお名前が出てくるので、びっくりした。
そして、この本が今も、自分の手元に有るという巡り合いの不思議さを感じている。
さて、入手した本は全体的にボロボロになっていたので、装丁し直さなければ使えない。
骨董品的価値は下がるが、私は首っ引きで使える本が欲しかったのだ。
水道橋駅のそばに「製本工房リーブル」なる製本屋さんを発見し、持ち込んで見ると、
何の問題も無く商談成立。おまけに、装丁について、ドイツ装とか栞ひもとか本当に事細かく指定できた。
価格もリーズナブル。仕事が詰まっているとかで、約2ヶ月待たされたが、仕上がりには大満足であった。


3冊目のDana第6版:
ここから、現在進行中のお話になります。
先日、久々にeBayで「Dana 6th」で検索してみると、なんと1冊ヒットした。しかも、超廉価な20$。
内容を手元の本と較べると、同じように見える。早速落札したが、輸送に36$もかかってしまった。
何故、これを入手しようと思ったかというと、やはり岡本先生の本は貴重すぎるのと、復刻(?)本は
US発行の本のコピー(輪転機用)のコピー(復刻本製本)なわけで、文字が少しぼやけている為である。
さらに、戦時中の為か紙質もペラペラで良くない。先生が亡くなられた後の保存が良くなかったらしく、
雨染みも少々ある。それに、US発行の原本を見てみたいというのもある。
ただし、これにはAppendix ⅠⅡⅢが入っていないので、これもUSのAmazonで取り寄せ中である。
これら4冊が届いたら、「製本工房リーブル」に合体した本にしてもらおうと思っている。
さて、この目論見は、うまく行くだろうか???

dana2017.jpg


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 2017_06_18

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