「福島第一原発メルトダウンまでの50年」を読んで(その6)

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長編になってしまいましたが、今回で最後です。
今回は、新規制基準がちゃんとした規制になっているかを、
これまでに調査した福島第一の以下の知見を考慮しているか見てみます。

知見①:全電源喪失から数時間でメルトダウン
知見②:スクラム直後の高温・高圧状態用の冷却は全電源喪失時でも可能か?
知見③:冷却手順の試験や訓練は適切か?

まず、現在国内で唯一稼働している九州電力の川内原発の原子力規制委員会の
審査結果は以下に公開されています。

https://www.nsr.go.jp/data/000087528.pdf

この中の7ページに以下が有ります。
川内001a


福島第一事故からの教訓とありますが、ECCSや私の知見①②については何も書いてありません
ただ、「冷やす」ための対策(炉心損傷防止対策)①②③には、盛りだくさんの対策が書いてあります。
例えば、以下は有効そうです。
・既設の設備(余熱除去系ポンプ2台+高圧注入系ポンプ3台)による原子炉への注水
・新設のポンプにより原子炉へ注水バックアップポンプも準備

しかし、これらがECCSと同様に起動後に電源喪失しても稼働できるのかは不明でした。
また、スクラム後の何時の時点で稼働するかも不明でした。
出来れば、スクラム直後の冷却方法と手順を時間軸で示したものと、
その結果をシミュレーションで示した図が欲しいですね。


次に、最近審査結果が公開された関西電力の高浜原発です。

https://www.nsr.go.jp/data/000148305.pdf

この中の32ページに以下が有ります。
川内002b


この中のグラフを拡大したのが以下です。

川内002a


これこそ私が求めていた資料なんですが、これを見て2つの驚きが有りました。
①約9分後に炉心露出しています。
②約14分後に730°に達してます。

なんと、分単位だったんですねえ。
これでは、手動では間に合わず、自動注水しておくしかないように思います。
全電源が喪失した際に、周辺で寝ている人をおこして、電源車を持って来て・・・・
っていう手順では、全然間に合わないのじゃないですか????


<まとめ>
以上見てきましたが、新基準には私が期待した、きめの細かさが無いように思います。
スクラム直後の高温高圧状態から低温低圧状態に、どうやって持って行くのでしょうか。
そこの手順を時間軸に沿って、示してほしいと思います。
その際には、被災状態を色々と横軸に振っておいて、当該の手順が実行可能かどうかを
マトリックスで網羅的に検証して欲しいと思います。(事故対策検討時の王道です)


新規制基準の説明文には、以下の文言が有りますので、継続的な改善を強く望みます。

『この新規制基準は原子力施設の設置や運転等の可否を判断するためのものです。
 しかし、これを満たすことによって絶対的な安全性が確保できるわけではありません 。
 原子力の安全には終わりはなく、常により高いレベルのものを目指し続けていく必要があります。』


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 2016_04_30

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