久々の更新になります。
これまでの結果を整理した資料を作成しました。

灰十字_20150523a


全部で9タイプの結晶が有りますが、手持ちの標本を顕微鏡で観察した所、#5、6以外は
有りました。#7、8の3軸双晶の写真は相当前に採集した小杉産ですが、この産地は最近
産廃処理場になってしまいました。
今回、新たに気付いた#9の柘榴石が3つ集合したような結晶については、探してみると
思ったよりもあるなあという印象です。皆様も、手持ちの標本をお探しください。


なお、写真や図の借り物が多いので、この資料は公開はしません。
小さな画面だけで、雰囲気だけお楽しみください。
まあ、こういう資料は、自分で作成しないと面白さが湧かないと思いますし・・・



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 2015_05_23


先日依頼した、3軸双晶の結晶模型(2個)が届きました。
右側の模型ですが、良く見ると何とも不思議な立体です。
左の模型の凹部と比較してみると判りますが、凹部が想像以上に浅く感じます。
なお、右側の(部分)結晶は、比較的存在しているという印象です。

2015-5-0_002a.jpg


ついでに、以前作成した模型も載せておきます。
右は2015年4月、左はその1年前の作成です。
2つともナイロン製の緑色なんですが、最近のは色が薄くなっていますね。

2015-5-0_001a.jpg




 2015_05_09


前回記事に説明不足が有ったので、少し補足します。

まず、前回の結晶図は格子定数がa=bなので、正確に言うと擬正方晶系の図になります。
これは、3軸双晶作成時に45°回転していまして、その時の結晶バランスを考えて
いつもa=bで作成していたので、無意識に擬正方にしてしまいました。

次に、文字通りの擬斜方晶系なら、軸率はそのままで、β=90にすれば良いのでは?
と疑問を持たれた方もおられると思います。以下にその場合の、結晶図を示します。

twin20150505_001.jpg


ご覧の様に、そう簡単では無くて、結局、柱面候補の{d2}グループ面を座標原点に
近づけないと柱状になりません。(成長速度を遅くする)
そうすると、軸率を本物に合わせる意味がありません。(一手間多くなるだけ)

以上の事から、軸率は柘榴石のまま(1:1:1)にして、上図のd0とd1の成長速度を
同じにして作成したのが、前回の結晶図なのです。
しかし、前回の結晶図は擬斜方晶系の結晶図として示す必要が有ったわけで、
軸率を本物に合わせる一手間は省けなかったと反省します。

無意識の内に一番簡単な方法でやってしまうのは、これまで沢山の結晶データを作って
来たから直感が働く為ですが、後で読み返すと時々理解しにくい事になってしまっています。



 2015_05_05


現時点のデジタル鉱物図鑑では、灰十字沸石の結晶系は単斜(擬斜方)で、β=90°に
なっていますが、結晶図はベグマタイト誌に記載された値のβ=124.75°で描いています。

これについては、
β=124.75° ⇒ 単斜のβ
β=90° ⇒ 擬斜方のβ
と判ってはいましたが、擬斜方って何だろう?と思っていました。

しかし、今日、結晶図を見ていて、柘榴石の斜方12面体を元に十字沸石の柱状双晶が
出来る事に気付きました。

twin20150503_001.jpg


苦労して接触双晶を作らなくても、あっと言う間に、ここまでできるんですねえ。
たぶん、これが擬斜方ってことなんだー。
ならばと思って、2軸の貫入双晶も作って見ましたら・・・・

twin20150503_003.jpg


あっという間に、これ(Fig. 500タイプ)も出来てしまいました。
さすがに、3軸貫入双晶は無理ですが、簡単に出来過ぎて少し拍子抜けでした。

また、手持ちの十字沸石を調べてみましたところ、以下の結果でした。
 埼玉県吉見: 双晶なし(ただし、Fig. 501タイプは現地見落とし有りそう)
 新潟県小杉: Fig. 501タイプの部分双晶を発見

最近になって十字沸石に強い興味を覚えたのは、ある目的の為に、完全な3軸貫入双晶
を得たいと思った為ですが、別タイプの3軸貫入双晶ならば家に有ったわけです。
それにしても小杉のは1998年採集なので、17年近く気付かなかったことになり、
何とも恥ずかしい限りです。

特に、Fig. 501タイプの双晶は、結構多く存在するという印象ですので、
皆様も是非ご確認ください。



 2015_05_03


単斜晶系の十字沸石の結晶が3軸双晶すると、何故、斜方12面体になるのでしょうか。
これについて、少し調査しました。

単斜晶系の格子定数は、a:b:c=a’:1:c’(軸率で表示)、α:β:γ=90:β:90です。
まずは、灰十字沸石のa’c’βを変化させて、柘榴石のダイヤ面と比較してみました。
結果は、以下の様に、a’とβ変化で斜方12面体にならないという予測が出ました。

a’:0.702→1 柘榴石のダイヤ面の内角と異なる
c’:0.614→1 柘榴石のダイヤ面の内角と同じ
β:124.75→110 柘榴石のダイヤ面の内角と異なる


twin20150501_001a.jpg


灰十字沸石のダイヤ面は{110}面ですので、c’の変化が影響ないのは納得できる結果です。
特にβの変化は影響が大きかったので、β=110°で3軸双晶を作ってみました。(以下)

twin20150501_002a.jpg


ダイヤ面も平行にならないですねー。
やはり、十字沸石(以下は灰十字沸石のもの)の格子定数が、特別の様です。
 a:b:c=0.702:1:0.614(軸率で表示)、α:β:γ=90:124.75:90

ちなみに、β=124.75に近い、単斜の鉱物は幾つかありましたが、知らない名前ばかりでした。


それにしても、結晶形態がこれほど多様な鉱物は、やはり珍しいでしょう。
久々に、目からうろこでした。
まずは、現在持っている十字沸石のダイヤ面をチェックしてみたいと思います。



 2015_05_01



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